ワークショップ初心者として、ワークショップを知らない人に向けて書く

こんにちは、FLEDGE11期生の神田ゆうきです。梅雨明け以来、毎日暑いですね。
今でこそ「学習目標」とか「創造目標」などという単語を何気なく口走りながらワークショップを創ろうとしてますが、僕はFLEDGEの存在を知るまで、ワークショップをに参加したこともなければ正直聞いたこともなかったんですね。せっかくこの度FLEDGEブログで記事を書く機会をいただいたので、いわゆるワークショップ初心者の立場から、ワークショップを知らない時代の自分に伝えるようなイメージで書き連ねていきたいと思います。

なぜ、ワークショプが役に立つのかについて考えるのか。

先日、バイト先の友人に「ワークショップって役にたつの?」と聞かれました。バイト上がりに「これからワークショップデザインのミーティングがあるから先帰るねー」と言って部屋を出ようとした時に聞かれた質問なんですが、なんて答えていいのかよくわからなくなったんです。
 友人は僕と同じく就活生で、互いの進路についての話題の後に「役に立つの?」と聞かれたので、「(就活を控えている現在において)限られた時間をなぜその活動に費やしているのか」と聞きたかったんでしょう。

 本郷三丁目に向かう電車の中でも「そういえば、今やってるこれ(ワークショップデザイン)って、何の役にたっているんだろう。」という思いが頭に残っていました。一回一回のミーティングに夢中になっていて、「よし、この活動は自分の役に立っているぞ!」といった思考回路は全く無く。むしろ「逆算思考」が自分のなかに無かったということ自体に驚きました。ただ、「ワークショップって役に立つの?」と聞きたくなる気持ちも理解できます。ワークショップって、参加する前は目的がはっきりとわからないし、参加後もモヤモヤとした気持ちが残っていることが多い。

 自分がもし、「ワークショップをまだ知らない頃の自分」にFLEDGEでの経験を語るなら何を言うんだろう。そんな気持ちが着想となって、今回の記事タイトルは「ワークショップって役にたつの?」となっております。

で、ワークショップって役にたつの?

 僕、海外に一年間留学していました。留学から帰国した後は、しばしば「留学で、なんか変わった?」と聞かれたのを憶えています。さらに、就職活動の面接では「何を目的に留学し、その目的は達成できましたか?」と聞かれました。その度に、自分と相手の微妙な認識のズレを感じました。「なんか変わった?」という問いは「あなたにとって、留学がどのように役に立ったのか教えて下さい」と聞かれているに近しいな、と思ったんです。自分は、「見たことのない世界を体験したい」という想いのままに留学に行ったというのが正直なところです。そのため、なんだか投資対効果を測るような見方に違和感を感じてしまったんです。

「ワークショップって役に立つの?」と聞かれた時も、「なんか変わった?」という質問を受けた時と同じ感覚に陥りました。「そういうことじゃないんだよな」と思う一方で、もし過去の自分が、FLEDGEで楽しくワークショップを創っている自分を知ったらこう思うでしょう。「大学最後の一年間の時間を、なんでFLEDGEに使うことを選んだの?(=役に立っているの?)」と。

役に立つことよりも、自分にとって面白いことを知ろう

 就職活動をしていて生まれた、僕の中の結論のうちの一つが「面白いことをやることは、役に立つ」ということです。
 就活って結局「なぜ働くのか」という問いに答えることだと思います。その問いに対して「自分はこういう生き方が面白いと思うから」と答えるわけです。そう思った時に「ワークショップって役に立つの?」という問いに対して僕は「役に立つかは知らんけど、面白いからいいんだよ」と答えたくなりました。
自分はワークショップ歴3ヶ月の初心者ですので、専門的な観点からのワークショップデザインの効用については他の人にお任せします。しかし、僕がFLEDGEの活動のなかで面白いと感じた「昆布売りの話」と「ボブの話」について書くことで、「ワークショップは役にたつのか?」という問いに対して、「役に立つかは知らんけど、これって面白いよね」と伝えたいです。

昆布売りとボブの話

 僕たちは「働く」をテーマにしたワークショップを創っています。「働く」ということについて延々と考えながら議論するわけですが、その中で「昆布売りのおじさんの話」が個人的に強烈に面白かったんですね。
 あるところに、昆布を売り歩いて生計を立てているおじさんがいます。しかしおじさんは、日常的に、突如急激な眠気に襲われて、眠り込んでしまうという病気だったそうなんです。寝たら昆布売れませんよね。僕は「そんなんじゃ働けないじゃん、生きていけないじゃん」と思ったんですが、そのうち地域のおばさんたちが「あのおじさんどうしようもないねー」ということで、道端で眠りこけているおじさんの代わりに昆布を売りはじめちゃったらしいんですね。それが結果的に地域のコミュニティー創りに貢献しているらしく、昆布売りのおじさんは「寝てるだけ」なんですが「地域のコミュニティー創り」のために「働いて」いるという話でした。この話を聞いて僕は「働く」といえば、企業に勤めるか会社をつくるかフリーランスかな、といった考えをぶっ壊すような面白さがあると思ったんです。

 続けて「ボブの話」をします。ここでいう「ボブ」とは、社会変革ファシリテーターという仕事をしている「ボブ・スティルガー」という方のことです。ボブの著作「未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう」をお世話になっているディレクター、のだうにーさんのツイートを見て読んでみました。2011年の震災後のコミュニティ再生に挑戦した記録を詳細に記述している本で、とても読み応えがあるんですが、ここではその中で僕がシンプルに「良いな。」と思った一点を紹介させてください。

『我々は、今「持っているもの」から始めることで、しばしば「必要なもの」に結果的に導かれる。持っているものから生じる必要(ニーズ)は、必要なものを根こそぎ失った人に「何が必要か?」と聞くことの、息の詰まるような重さとは、全く異なるものがある』

「息の詰まるような重さ」が渦巻く、震災直後の被災地で、「持っているものから始めよう」という問いかけを実践している人がいる。しかもそれを行っているのは、一人の米国人だという事実に対して「良いな。」と率直に感じました。苦しい状況で、人の意識を救うような問いかけや見方を提供できる人は強いなと思います。

おわりに

 FLEDGE11期ではこういったように、「昆布売りのおじさんの話」や「ボブの話」を交えたりしながら「働く」をテーマにしたワークショップを創っています。
 僕は、「ワークショップは役に立つのか」という問いに対して「そんなことよりも、あなたはこの話を少しでも、面白いと思いましたか」という問いを返したいです。
 就職活動が人生に及ぼす影響について考えると「〜しなければいけないんじゃないか」とか「〜は役に立つのかな」という「根拠のない安心」を求めてしまう時期があると思います。役に立つかどうかを考えるあまり行動を起こすことに対して臆病になったら、シンプルに「自分はこれを面白いと思うか」を考えてみてください。この記事があなたの「役に立つ」ことを願っています。