“問い”をみつめる

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 FLEDGE12期生の中央大学2年、今井瑠々です。現在、FaMilYというチームで活動しています。
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 5月28日、FLEDGE4期生へるめさんこと中岡晃也さんの主催する「問いの教室〜古瀬正也さんを迎えて〜」に参加した。約4時間、私を含めて12人の参加者は先生と共に「問いを立てるプロセス」を探求する。このワークショップでは、古瀬正也さんが問いの先生だ。古瀬さんは2008年からワールドカフェを中心に全国でワークショップを開催、さらに大学院で学術的に研究を続け、現在では古瀬ワークショップデザイン事務所の代表として様々な分野の業種へ向けてワークショップを行なっている。

 参加者同士の簡単な自己紹介の後、ワークショップの中で問いを立てたい参加者を一人選ぶ。その後、問いを立てたい参加者が自身の主催を予定しているワークショップにおける問いを先生とともに探求する。他の参加者はその様子を観察する。観察の方法はひたすら会話をメモして記録するというもの。問いを立てるヒントや気づきを探すために言葉だけでなく会話の流れ、話し手の表情、ほんの小さな語尾にも注目する。そして、リアルタイムで問いを立てる様子を60分間観察した後、参加者全員で感じたことや疑問に思ったことをフィードバックして理解を深め合った。

 参加者一人ひとり着眼点は様々であるが、私は先生が答えを教えたり、ゴールに導いたりするわけではなく、クライアントが自分で大切なものを見失っていたことに気づき、本当に大切にしたいことは何なのか自ら問いをつくることができるようにしていたことに驚いた。クライアント自身が気持ちよく納得できる問いを立てられるように先生は伴走していくのだ。さらに二人が同じ視点で同じパワーバランスになるように先生はクライアントとの自然な会話の中で問いの本質を整理して問いをクリアにしていく。この様子を、ある参加者は「そこにコンサルティングとコーチングの統合をみた」と言っていた。

 今回のワークショップを通じて、問いを立てるプロセスを観察し、問いを立てるヒントや気付きを探すことは私にとってまるでデッサンをするような感覚であった。先生とクライアントが問いを立てていく中で、自らの問いを深める新しい視点の問いが生まれる瞬間を自分の目で見ることができた。デッサンは学生の頃、多くの人が美術の授業で一度は経験したことがあるだろう。デッサンをするとき、私たちは対象物をいつも以上によく観察する。さらにその物の質感や特徴に注目して表現する。この感覚をもっと研ぎ澄ますことはワークショップをデザインする上でも役立つ感覚になると思った。私は今、FLEDGE12th生としてワークショップを企画している。その中で自分は何をしたいのか、自分がやりたいことをどうやって形にすればいいのかわからなくなることがある。そんなときには、やりたいことの本質が見えるまでより深く自分に問い続ける。自分が表現しようとしている対象物の本質に迫る行為、それはまさに問いのデッサンである。私の問いの探求はまだまだ続く。問いのデッサンを繰り返すことで初めて自分の問いをみつけることができるのかもしれない。