モヤモヤのその先に

 FLEDGE12期として私は「FaMilY」というチームでワークショップを作ることを通じで学んでいる。前回のプレ実践で私たちは「匂い」のワークショップを行った。人によって感じ方の違う匂いを使って人の先入観やバイアスに気付くことで多様性について考えるワークショップだ。これからそのワークショップの反省やFLEDGEについての思いを書こうと考えている。

 FLEDGEは私にとって心地よい場である。なぜ心地いいと思うかというと、ワークショップを創っていく中で日常の中で自分がモヤモヤと納得できないと思っていたりすることを、様々な視点から考えることができたり、他人と自分の描いているイメージの違いが見えてきたりするからだ。
 私の過ごす1日の行動は無意識とか直観、常識で判断してしまっていることがほとんどだ。なぜ生きるのか? なぜ学ぶのか? など、物事の“本質”を見るために答えのない問いと向き合うことは時間がかかる。だからこそ普段の私は多少の割り切りや言い訳をしてやり過ごしてしまっている。そんな中でFLEDGEはワークショップのスキルを学ぶだけでなく、少しでも創造性のある学びや本質的な問いを立てる鍛錬ができる場なのだ。
 私は今、その鍛錬の真っ最中である。FLEDGE12期生の「FaMilY」という4人チームで、8月のワークショップにむけてコンセプトや活動内容を考えている。このチームはとてもよい雰囲気で活動できているなと感じている。初めてメンバー全員でスカイプ会議をした際に「メンバー全員が発言しやすい雰囲気で、お互いに納得を大切にしてクオリティーの高いワークショップを目指す」というグラウンドルールを作った。真剣な話し合いではあっても、相手を打ち負かそうとする敵対的なムードではなく、友好的なムードを保ち続ける「オープンなコミュニケーション」(出典:ダイアローグ 対話する組織 /中原淳,長岡健)を重視しているのだ。私たちのチームには、良い意味でリーダーがいない。全員が主体性をもって考え、行動することができていると思う。確かに、ひとつひとつの意思決定には時間はかかるけれど、ワークショップをつくるうえで、細部までとことん話し合うことは絶対に必要だと思う。なぜなら、お互いに考えていること、または抱いている思想や感情を共有し理解し合えなければ、ワークショップで“伝えたいこと”を参加者に伝えきることは難しいからだ。実際にプレ実践では丁寧に話し合うことに時間がかかり最後まで詰め切れなかったところがあった。その綻びがワークショップの学びの方向性や質を落としてしまった。
 プレ実践のフィードバックで、先生から「大人がお金と時間を使う価値があると感じる問い」を意識するようにとアドバイスをもらった。これまで私が作ってきたワークショップは高校生向けで学習の意図や内容があらかじめ決められているものが多かった。“大人”が“創造性”を生み出すことができるワークショップを創るためには、これまでの以上の知識と技術、批判的な視点が必要だと感じている。これまでの経験値に頼りすぎないで、”参加者の学び”をもっと重視しなければと強く思う。参加者が面白かったなぁと思うだけではなくて、日常の中にある修羅場や不条理の中でも生かせるようなにかを見つけてほしい。そんな学びを生むためのヒントは日常生活にあるモヤモヤの先にあるはずだ。悩みや不満、疑問など心のモヤモヤの先にある、見過ごしていた物事の本質を深くみつめて日常に還元できるようなワークショップをつくり、参加者が楽しみながら脳に汗をかけるような創発を生み出してみたい。

――中央大学法学部2年 今井瑠々