今回は和泉がオススメする、3冊の本をご紹介します。
各々のワークショップデザインに役立つかどうかは定かではありませんが、とりあえず「この本をこんな視点で読むと、新しい気づきが得られるかも」という仕方で本をご紹介します。
※基本的に和泉は本を読むのが苦手なので、小難しい本は紹介しません。
和泉がおすすめの三冊
「『未来の学び』をデザインする」美馬のゆり・山内裕平
安斎さんの師匠でもある山内裕平先生の著書です。「これからの学校や企業、社会などの様々な場面で必要とされる『未来の学び』をデザインしていくには、空間・活動・共同体という視点から「学習環境そのもの」を意図的にデザインしていく必要ある」という趣旨のもとで書かれた本だと自分は認識しています。
これは『学習環境デザイン論』というワークショップの上位概念を背景に執筆されています。「ワークショップデザイン論」第6章でもサラリと触れられていますが、「ワークショップを根っこから理解したいと思っている方はここを丁寧に学ぶことをおススメします。専門書にしては非常に読みやすい文章で書かれている本なので、ぜひ。
「世界から猫が消えたなら」川村元気
小説です。あらすじとしては「郵便配達員である主人公が、毎日1つ1つ何かを失っていくかわりに、毎日1つ1つ何かを得ていく物語。電話、映画、時計、猫、そして僕。その代償と引き換えに、彼が本当に手にしたものとは…」という物語です。
この小説では【もし世界から◯◯が消えたなら?】という問いと共に物語が進行していきます。いつか小説の世界観を体現するワークショップを企画するとしたら、自分はこの小説でやってみたいなと、密かに思っています。
こういった小説の切り口はワークショップのコンセプトを考えるうえで参考になることもありますので、ぜひ1度そういう視点で小説を眺めてみてはいかかでしょうか。
「『あたりまえ』からはじめなさい」千田琢哉
自己啓発本です。「職場・人間関係・お金・勉強と情報・人生」という5つのカテゴリーに著者が思うそれぞれ10個の「あたりまえ」が記されています。それを口だけでなくしっかりと行動に移すことで誰でも成功者になれる!と提案している本です。
ハッキリ言って自己啓発本としての面白みは何もありませんが、ワークショップデザインの視点でこの本を眺め始めると世界が一変して見えてきます。
ワークショップには「参加者の価値観を揺さぶり、固定概念を打ち崩す」という目的がありますが、そのためにはまず「揺さぶりたい価値観とは何か?」を明確に掴んでおく必要があると思います。
この本の中には、そんな揺さぶりたい「『あたりまえ』とされている価値観」が50個も収録されているので、「本当に挨拶しないといけないの?」「言葉が喋れない人はどうするの?」「むしろ口に出して挨拶しなくても人間関係上手くいく方法ってないの?」というような天の邪鬼の視点でこの本に喧嘩を吹っかけてみると、ワークショップデザインの大変良い練習になると思います。
終わりに
と、こんな感じで3冊ご紹介させていただきましたが、正直、全部いまさっき取ってつけた”こじ付け”、とも言えます。(「未来の学びをデザインする」だけはこじ付けではありません笑)。
大切なのは「どの本がワークショップデザインに役立つか?」ではなく、「今読んでるこの本とワークショップデザインを強引にでも結びつけるとしたら、どこが活用できるのか?」という考え方で本を読むことではないでしょうか。
皆さんのワークショップデザインが、それぞれ色合い豊かに発展していくことを願っています。
和泉