
ワークショップの概要とコンセプト▼
2017年9月5日(火)の夕方、チームedgeの本実践として、「ココロマネジメントワークショップ〜あなたのココロはどんなカタチ?〜」を行いました。
場所は東京大学本郷キャンパスの福武ホール。ワークショップのコンセプトは「理想のココロを表現することで、自分のココロをマネジメントする方法を考える」というもので、12名の方にご参加いただきました。

イントロダクション▼
まずはイントロから。
イントロは、
1. FLEDGEの紹介
2. 運営側の自己紹介
3. 企画趣旨説明
4. アイスブレイク
-参加者同士で9マス自己紹介
といった流れで進めていきました。
アイスブレイクで9マス自己紹介を使った理由は、「自分自身を表すキーワード」を9つも出し、それについて説明を加えることで、ある程度広い領域について自己開示しあうことができるからです。
今回のワークショップでは、ココロという最もプライベートなものを扱っており、初めて出会ったにも関わらず、自分自身の深いところの価値観を共有していくことになります。よって、いきなり参加者が触れられたくない部分に触れられて傷づいてしまうことがないように、広く浅く自己開示ができるようなプログラム設計を心がけました。
実際には、マスを埋める自分を表すキーワードを何にしようか参加者同士で一緒に悩んだり、書き進めている人の意外なキーワードにどよめきが沸いたりと、参加者同士で会話が盛り上がっていました。
ミニワーク:”今”のココロを粘土などで表現する▼
続いて、メインアクティビティに入る前に、事前準備としてミニワークを行いました。ミニワークは、
1. 今のココロのカタチを粘土や工作グッズを使って表現する
2. 1で作った作品をタネとし、机の隣同士でペアになりインタビューシートを使いながら、インタビューをしあう
3. 理想のココロのカタチを粘土や工作グッズを使って表現する
4. 3で作った作品をタネとし、2と同じペアで再びインタビューをしあう
という順序で進められました。
1のココロの形を表現するワークで粘土や工作グッズを用いるようにしたのは、ココロというものが抽象的なものであるため、参加者ができるだけその人の意向に沿った幅広い表現ができる材料を選ぶ必要があると考えたからです。実際に行ってみて、粘土のみならず様々な質感の材料があることで、「なぜその材料を使ったのか?」という問いに答えるかたちで参加者自ら意味づけを行いながら、思考を一段と深められていたように感じます。
また、インタビューでは、他者から問いかけられることで初めて自身を振り返っている人もたくさんいました。問いかける人は、自分とは異なる価値観から生まれた作品についての背景を、純粋な疑問心で言葉にしていた様子でした。


メインアクティビティ:今のココロの形と理想のココロの形を比較し、考察する▼
そのようなミニワークで自分自身についての深堀りを行なったのち、いよいよメインアクティビティへと入っていきました。メインアクティビティは、
1. 今のココロのカタチから、理想のココロのカタチになる間の2段階のカタチの変化を、粘土や工作グッズを使って表現する(単なるカタチの変化ではなく、「今→理想」に変わっていく際の感情や、肉体の葛藤なども考慮した上で表現する)
2. 粘土を4つ順番に並べて、その各作品になるために必要な行動や心がける意識をワークシートを使いながら考える(行動の順序をまとめたワークシートが出来上がる)
といった流れのもと行われました。
今→理想の状態に心が変化する過程を、さらに細かく2段階作った理由は、ワークショップ終了後の日常で、理想の心の状態になるために、どのような段階を踏んでいけば近づくことができるようになるのかシュミレーションをしてステップを踏んでみることが大切だと考えたからです。また、今→理想に変わる時の心の葛藤についても考えることでより一層、具体的に自身の特徴を知ることができたのではないかと思います。
個人個人で、具体的な行動を考えるワークは、今回のワークショップ中で一番ホールが静まり返り、黙々と参加者の皆さんが内省をしている姿が印象的でした。


振り返り:今日どんな気づきを得られたか?▼
最後に、今日得た気づきを可視化し、今後の日々に活かせるようにするために振り返りのワークを行なってもらいました。
内容は、
1. ポストイットに、ワークを振り返ってモヤモヤしたことと新しく気がついたことを1つずつ書き出す
2. 全体で、全員のポストイットを観察し、気になったものについて深ぼる
というもの。
ポストイットに新しく気がついたことを書き出すワークでは、「1つ以上ある」という声があがっていました。新たに気がついたことや、モヤモヤしたことががたくさん出たということは、運営側としては嬉しかったです。

最終的に、ホールの後ろに集まってホワイトボードにそれぞれのポストイットを貼ってもらい、そのまま集まったポストイットを見て気になったものをお互いに質問し合うという時間をとりました。この時、ポストイットが小さくて読みづらかったり、立ちっぱなしの状態のまま唐突にワークに入ってしまったため参加者にとって安心感があまりないものとなってしまっていた、という反省点がありました。
最初は参加者からは質問が出てこず苦労したものの、ファシリテーターが問いかけるなどしながら、話を引き出そうと頑張りました。

終わりに▼
今回のワークショップの私たちのチームの目標は「ワークショップ後に参加者が帰りたがらないワークショップをつくる」というものでした。そしてその目標通りに、今回のワークショップが終了した後、参加者のみなさんは中々帰ろうとせず、撤収作業を始めることができないほどでした。
安斎先生からのフィードバックでは、「ひねりがもう少しあったらよかった」というお言葉をいただきましたが、様々な葛藤を乗り越えた上で今回のワークショップを実践し、私たちの現在の力のレベルのものができたと思っています。今後、さらに勉強をし経験を重ねて、その時には今回のワークショップの内容にひねりを加えてパワーアップしたワーク内容を考案することができるように精進して参りたいと思います。


(筆者プロフィール)
佐藤里咲
FLEDGE13期生
早稲田大学商学部2年
生活している中でどうしても気になってしまうキーワードは
“教育”“人生”“しあわせ”“感性”“ことば”“ソーシャルイノベーション”